雰囲気ガス(酸化、還元)

温度測定時に、保護管の耐熱温度がどの位まで持つのかも必要ですが、雰囲気によっては熱電対素体が劣化する場合があります。
特に高温(500℃以上)では熱起電力の変化が大きくなり断線も しばしば発生します。
酸化雰囲気ではWRe熱電対が恒温で断線が発生しますので注意が必要です。
還元雰囲気の場合(浸炭炉)などではK熱電対では、熱起電力が低下します。

熱電対の雰囲気ガスに対する影響

熱電対の種類 水素 一酸化炭素 硫黄 金属製ガス(Ni) 備考
R 弱い
脆くなる
起電力の低下
弱い
断線することあり
弱い
脆くなる
Fe、Niに弱い
起電力の低下
Siに弱い
K 弱い、抵抗増加
脆くなる
起電力の低下
弱い
起電力の低下
クロメルが弱い
断線することあり
Feに弱い
起電力の低下
 
E クロメルが弱い クロメルが弱い クロメルが弱い 弱い  
J 強い やや強い
炭素には安定
鉄が弱い やや強い 熱電対材質の鉄のさび問題あり
T 使用温度が低いので影響無し 熱電対材質の銅が酸化されやすい

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