高放射率0.995以上を実現、サーモグラフィや放射温度計の目盛校正に! 高放射率平面黒体炉を新発売。
計測・制御・監視とシステムの株式会社チノー(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:豊田三喜男)は、高放射率平面黒体炉「IR-R40」を3月29日(水)に発売しました。
チノーは国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)と共同で、非接触検温などに用いられるサーモグラフィや放射温度計の測定温度の精確(精密かつ正確)な基準となる平面黒体装置を開発しました。(2022年1月19日プレス発表)
高放射率平面黒体炉「IR-R40」は、放射率が1に限りなく近い高放射率の黒体材料を使用した平面黒体装置です。従来の平面黒体装置では、使用されている黒体材料の放射率が0.96~0.98と低いため、放射温度基準としてはこの低い分が誤差要因となると共に、黒体面で反射する背景赤外線が温度測定に影響を与えます。しかし産総研が黒色樹脂の表面構造を工夫し開発したこの黒体は放射率が極めて高く、背景赤外線をほとんど反射しないため、ほぼ理想的な放射温度基準を実現します。
近年、商業施設等でスクリーニング用にサーモグラフィカメラや放射温度計が使用されていますが、精確な温度を知るためには、温度の基準値と使用する温度計の表示の差を確認する“校正”が必要です。この平面黒体炉を基準として用いることで、測定温度の信頼性向上が図れます。
小形・軽量で持ち運びや設置が容易なため、現場でも簡単に温度計の校正が可能です。大型商業施設、病院、空港/鉄道、学校、官公庁、工場等での精確な温度計測に役立てていただけるよう販売を促進します。
特長
- 高放射率 ε=0.995以上
- 小形、軽量、簡単操作
- 卓上設置または三脚取付け可能
- 通信インターフェース付
一般仕様
校正温度範囲 |
(周囲温度+5)℃~50℃ |
放射面サイズ |
60mm×60mm |
温度安定性※1 |
±0.15℃/30min |
温度分布※2 |
±0.15℃(37℃設定時) |
指示精度※3 |
±0.2℃(37℃設定時) |
放射率※4 |
0.995以上 |
通信インターフェイス |
RS-485 |
定格電源電圧 |
100VAC(50/60Hz) |
最大消費電力 |
60VA |
周囲温度 |
0℃~40℃ |
質 量 |
約2.1kg |
※1:周囲の環境により変動する場合があります
※2:放射面サイズ48mm角、周囲温度23℃±5℃
※3:周囲温度23℃±5℃
※4:6μm~14μmの分光放射率平均値
外観