調整方法 症状タイプ別ガイド
→温度の振動(ハンチング)を抑えたい
→オーバーシュートを抑えたい
→整定時間を早くしたい
温度の振動(ハンチング)を抑えたい
安定制御時の振動を抑えることから調整を始めます。
IとDの比は4:1~6:1が基本ですが、まれにDが大きく
設定されている場合があります。
これが振動の原因になりますので、Dを小さくしてください。
Pの値も振動に関わるパラメータですが、出力の動きを観察して、
Pを小さくするか、大きくするかを判定してみてください。(詳しくは動画をご覧ください)
オーバーシュートを抑えたい
振動を抑えたら、オーバーシュートの調整に移りましょう。
Pが小さいと設定値ギリギリまで高い出力が出ることになります。
これがオーバーシュートの原因になるため、Pを大きくしましょう。
このとき、IとDも小さく設定されていることが多いため、
P,I,Dを全て同じ割合で大きくしてみてください。
一方で、Pが大きすぎると、出力を減らす動きが、にぶくなります。
これもオーバーシュートの原因になりですので、Pを小さくすることも検討してください。
減衰振動が起きている場合でしたら、
Pを動かさず、IとDを同じ割合で大きくしてみてください。 (詳しくは動画をご覧ください)
整定時間を早くしたい
夏に調整したPID値で、冬に制御した場合、
整定時間が遅くなる場合があります。
これは単純に気温が低いからではなく、
調節計が出力を抑えすぎていることが原因になっていることが
あります。この場合は、IとDを同じ割合で小さくするか、
程度によってはP,I,D全てを同じ割合で小さくしてみてください。 (詳しくは動画をご覧ください)
※あくまでチノーの調節計を使用した場合の例です。
※記載のPID値は、動画の実験データに基づいており、お使いの装置系によっては、挙動が異なりますので注意してください。
※PIDの初期値は「オートチューニング値」や「類似するシステムのPID値」を利用してください。
※本文の「大きくする」「小さくする」は、「現在の2倍にする」、「現在の半分にする」という要領で調整します。
天秤の錘のように調整してください。
※IとDは4:1を基本とし、その比率は大きくても6:1~10:1の範囲で加減してください。
調整例1 大きな振動を小さくしよう Pを小さくする
調整例2 大きな振動を小さくしよう② Pを大きくする
調整例3 一気にオーバーシュートしているとき P,I,Dを同じ割合で大きくする
調整例4 出力がゆっくり下がることで起きるオーバーシュート Pを小さくする②
調整例5 目標にたどり着くが、寄り道が多い IとDを同じ割合で大きくする
調整例6 ブレーキが強すぎ!繰り返される足踏み状態 Dを小さくする
調整例7 ペースが遅くてなかなかたどり着かない IとDを同じ割合で小さくする
調整例8 いくらなんでも遅すぎる そもそも出力が小さすぎ? P,I,Dを同じ割合で小さくする