「サイリスタレギュレータ」は”操作端(部)”の1つで交流電源をオンオフする電気的スイッチです。
調節計など”制御部”からの信号を受け、電力の制御をすることにより、電気炉の温度を制御します。
機械的スイッチと比較して、高速スイッチングできるため精密な温度制御が可能、動作時の音が小さい、接点がないため長寿命等の特長があり、産業界の温度制御分野で広く使用されています。
制御系において設定値(目標)に達するために、主にフィードバック(FB)で制御します。 FBについて
サイリスタレギュレータを選定する際には、負荷(ヒータ)の抵抗温度特性に合わせてフィードバックを指定する必要があります。
長所:
電力制御が連続的にできる。負荷(ヒータ)の特性に合わせたフィードバック方式(フィードバック無し方式もある)を選べる。
短所:
出力波形に高調波成分を含み、電源歪みや高調波ノイズを外部に出す。
ヒータ材質 | 鉄クロム、ニッケルクロム | 炭化ケイ素 | 白金、タンタル、モリブデン、タングステン |
---|---|---|---|
常用温度 | 600~1000℃ | 1200~1600℃ | 1500~1800℃ |
FB方式 | ・電圧FB形 ・FB無し形 |
・電力FB形 | ・電流FB形 |
※負荷(ヒータ)の特性に合わせてFB方式を選定する。
長所:
ゼロクロススイッチングのため、出力波形に高調波を含まない。
短所:
出力がオンオフ的な動作となるため、フリッカーと呼ばれる照明のチラツキ現象や、電源電圧の一時的な低下が発生する場合があります。
ヒーター材質はニクロム系のみ。変圧器(トランス)一次制御不可。
ヒータの種類 | 鉄クロム、ニッケルクロム | |
---|---|---|
常用温度 | 600~1000℃ | |
分周方式 | 時間比例制御、三相 時分割制御(ΔΣ変調方式)、単相 |
負荷(ヒータ)の種類が上記に限定される。
形式 | JM |
定格電流 | 10、20、30、50、75、100、150、200、250、300、400、500A(一種指定) |
定格電圧 | 200/220/240V AC |
制御方式 | 位相制御/分周制御(機種により切替可能) |
JMシリーズは調節計やPLC、手動設定器からの信号を受け、電気炉のヒータに供給する電力を調整する単相用のサイリスタレギュレータです。
形式 | JU |
定格電流 | 10、20、30、50、75、100、150、200、250、300、400、500A(一種指定) |
定格電圧 | 100、110、120、200、220、240、380、400、440V AC(一種指定) |
制御方式 | 位相制御/分周制御(機種により切替可能) |
JUシリーズは、小形・軽量でパネル実装密度が高い単相用のサイリスタレギュレータです。
形式 | JB |
定格電流 | 20A、30A、40A、50A、75A、100Aの6種 |
定格電圧 | 100V~120VAC、200V~240VAC 100V系と200V系は共用(端子切換) |
制御方式 | 位相制御/分周制御(内部ディップスイッチにより切替) |
JBシリーズは、コンパクトで比較的安価な単相用のサイリスタレギュレータ(フィードバックなし)です。
形式 | JW |
定格電圧 |
200V AC~480V AC いずれか指定(主回路電源と制御回路電源は共通電源) ※400V仕様に外部トランス仕様を用意 |
定格電流 | 10A、20A、30A、50A、75A、100A、150A、200A、250A、300A、400A、500Aいずれか指定 |
制御方式 | 位相制御方式、分周制御方式 |
JWシリーズは、小形、軽量で高密度計装が可能な三相制御用のサイリスタレギュレータです。
形式 | JZ |
定格入力電圧 | 5~24V DC |
入力消費電流 | 7mA以下(25℃環境下にて) |
JZシリーズは、抵抗負荷の電力調整に使用する小形、高信頼性の半導体スイッチです。
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